有限会社 セキセイ堂

【梵鐘】
修復前 修復後


場所: 東京都のお寺

サイズ: 高さ、約2mの梵鐘
修復作業期間: 1日


「梵鐘の修復前状況」

仏具屋さんに勤めている友人からの紹介でした。
現在は釣鐘としては使用せずに、屋外に放置されたままだったそうです。
当社に依頼をされる前に、薬剤などで汚れを落とそうと試みた様子で、薬剤が付いた部分は酷い色になっていました。

ヒビ割れなどは無いため、梵鐘としての機能はまだまだ問題無い状態でした。

「ご依頼主との打ち合わせ」

綺麗に着色修復をし、お寺の建物内に飾り、お客様に見せたいそうです。
とりあえずは建物内に飾るそうですが、将来的には釣鐘として使用する可能性もあるとの事です。
それでは、「屋外用の着色」にしておこうという事でまとまりました。

お寺の梵鐘という事で、古色仕上げにする事になりました。

「梵鐘の修復手順」

残っている着色や、ムラに発生した自然の緑青(青さび)を一旦落とします。
薬剤の残りを綺麗に洗い落とし、天日で乾燥させます。
この日は真夏の快晴でしたので、作業の進行も早く出来ました。
着けた色が落ちにくいようにする下処理を施した後に、基本となる色を全面に着色します。
乾燥後に布やタワシで擦って余分な塗料を落としながら、基本色を本体に固着させます。
ここまでの下処理を丁寧に行う事によって、本来の形を崩す事無く、薄くて強い着色をする事が出来ます。

その上に、異なる微妙な色を何色も薄く重ねていきます。
自然な緑青よりも強くて美しい、「経年変化による美しい青銅色」を着色によって作り出しました。

「修復のポイント!」

表面に凸の梵字と浅い凹文字があるため、その文字を消さないように薄くて強い着色を心がけました。
着色をした事によって、それらの文字も明確に見えるようになりました。

将来的に釣鐘として使用する可能性もあるとの事ですが、薄くて強い着色を施しましたので音色にも影響ございません。

今回は既に取り外した状態でしたので、作業所での着色作業となりましたが、現在使用中の釣鐘でも同様に着色いたします。
取り外し作業もせずに、釣ってある状態のままで作業いたします。
周囲への色の飛び散りなどの影響が無いよう、養生には十分に注意をし、作業をしております。


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