有限会社 セキセイ堂

【慈母観音】
修復前 修復後


場所: 埼玉県のお寺 

サイズ:高さ、約4mの慈母観音
修復作業期間:2日


「銅像の修復前状況」

全体的に色落ちや汚れがとても酷くなっています。
高さ約4mという大型像のため、制作をした鋳造所は細かい作業を省き、なかなかワイルドな仕上げをされていたようです。
着色が落ちた事により、制作時の修正箇所から部分的に腐食が進行しています。

また、高さがある分、酸性雨による雨の流れが一定の部分を伝っていきます。
そのため、雨の流れた跡が線となって汚く見えます。

「ご依頼主との打ち合わせ」

汚れや雨の線を消して綺麗にすると同時に、腐食している箇所を修復する事になりました。
腐食部分が小さい事もあり、溶接や湯流しなどの大掛かりな修復は必要無いとの判断となりました。
金属パテによる穴埋め処置を施した上に着色でコーティングする事になりました。

お寺の仏像という事もあり、完全な新品の色ではなく、やや古色感を出し、味わい深い雰囲気にして欲しいというご要望がありました。

また、大型像のため、日々のお手入れは簡単には出来ません。
そのため、「屋外用の着色方法」を選択し、日々のお手入れも簡単に出来るようにする事になりました。

「銅像の修復手順」

残っている着色や、ムラに発生した自然の緑青(青さび)を一旦落とします。
腐食して欠損している箇所を金属パテにより穴埋め修復し、周囲と違和感のないように仕上げて馴染ませます。
着けた色が落ちにくいようにする下処理を施した後に、基本となる色を全面に着色します。乾燥後に布やタワシで擦って余分な着色を落としながら、基本色を本体に固着させます。
ここまでの下処理を丁寧に行う事によって、本来の形を崩す事無く、薄くて強い着色をする事が出来ます。

その上に、周囲の雰囲気や像の形状に合わせて、異なる微妙な色を何色も薄く重ねていきます。
自然な緑青よりも強くて美しい、「経年変化による美しい青銅色」を着色によって作り出しました。



「修復のポイント!」

約4mの大型像のため、銅像を見る方は見上げるようになります。
そのあたりを考慮して、空を背景としても見劣りしない強い色を基本色にして着色しました。
また、意識的に色のメリハリを出して、大きくても表情や形状が明確になるように心がけました。

セキセイ堂 銅像・ブロンズ像の修理・修復・クリーニング

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