有限会社 セキセイ堂

【胸像(屋外)】
修復前 修復後


場所: 東京都の学校

サイズ: 高さ、約70cmの胸像が3体並んでいます。
修復作業期間: 2日


「銅像の修復前状況」

この胸像と同サイズの胸像が3体並んで建立されています。
2年前に別の業者に色直しをして頂いたとの事。
銅像管理のご担当者様が日頃からお手入れをして気を配っていたご様子で、色落ちや汚れも軽度のものでした。
おそらく、他の多くの銅像管理者では修復を依頼してこないであろうと思う位、綺麗な状態でありました。

「ご依頼主との打ち合わせ」

こちらの学校は歴史と伝統のある学校で、多くのOBの方達も頻繁に来校するそうです。
OBの方達や学校関係者、在校生にとってもこれらの3体の胸像は深い思い入れがあるそうで、少しでも汚れていると皆様からお叱りがあるとおっしゃっていました。

銅像の着色方法として、意図的に古色感を出す事もあるのですが、このような事情のため、今回は新作仕上げにする事になりました。

色落ちが少ない「屋外用の着色」を選択し、雨やホコリなどの汚れが付きづらいようにコーティングを施します。

色は、もともと茶系色だったため、雰囲気が大きく変わらない方が良いでしょうと提案させて頂きました。
元の色を参考に茶系色(オハグロ)を基本色と致します。

また、1年に1回のメンテナンス契約を頂きました。
1年に1回、定期的に当社で洗浄を行い、必要であれば色を補色し、表面にコーティングをかけ直します。
これによって、常に綺麗な状態を保つ事が出来ます。

今回のように、常に一定のレベルを保つ事を求められる場合は、定期的なメンテナンス契約をお勧めいたします。

「銅像の修復手順」

残っている着色と汚れを一旦落とします。
着けた色が落ちにくいようにする下処理を施した後に、基本となる色を全面に着色します。
乾燥後に布やタワシで擦って余分な塗料を落としながら、基本色を本体に固着させます。
ここまでの下処理を丁寧に行う事によって、本来の形を崩す事無く、薄くて強い着色をする事が出来ます。

その上に、周囲の雰囲気や像の形状に合わせて、異なる微妙な色を何色も薄く重ねていきます。
「修復のポイント!」

今回は、色直しをする前から「古色」としては綺麗な状態ではありました。
2年前に修復したという業者も、それなりに良い仕事をしていた様子でしたが、こちらの学校のご要望に沿った色味にしていなかったのだと思われます。

古色仕上げや、新作仕上げといった色味を決めるには、その銅像が「どういう意味で建立されている」かによって選択しないといけません。

銅像の着色修復は、単に色を直すという気持ちで行ってはいけません。
多くの業者は自分の方法を一方的に押し付けているのが現状です。
当社では、銅像管理のご担当者と細かい打合せを行い、銅像の歴史などを伺って
その銅像に相応しい色を提案させて頂いています。

今回の学校のように、創設者や功労者の銅像を大切にしている学校は、まだまだ少ないのが現状です。
しかし、そういった気持ちを多くの方々が持っているこの学校は活気もあり、学生達もいきいきとしていました。


セキセイ堂 銅像・ブロンズ像の修理・修復・クリーニング

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