銅像(ブロンズ像)の修理・修復・クリーニングについて

「銅像の変色について」
現在、屋外銅像(ブロンズ像)のほとんどは、納品される際に着色をして納められています。
(薬品によって緑青を強制的にふかせて色を出す方法、緑青液を塗るなどの方法があります。)
屋内展示であれば色落ちの心配はありません。 しかし、屋外に設置しますと、その色は数年後には完全に落ち、代わりに経年変化による自然の緑青がふいてきます。
 
本来、緑青がふくこと自体は「銅という素材の味わい」でもあります。
しかし、形状が複雑な彫刻作品の場合は緑青がマダラに出るため、綺麗に色変わりする事はありません。 
汚れも付着して見た目にも悪くなっています。色落ちと共に、制作時の修正箇所などが欠損し、そこから腐食が進行します。

「着色方法」
屋外設置の銅像の場合は、「屋外用の着色」を施します。
従来の着色方法よりも色落ちが少なく、紫外線や雨にも強いものです。
欠損箇所があれば修理し、ムラとなっている緑青や汚れを取り除き、本来の素材色に戻します。
基本となる色を下塗りし、その上にバランスを見ながら、3~4色を薄く重ねていって着色します。
「深みがあって美しい、経年変化による自然な緑青」を着色によって作り出します。

着色が皮膜となりますので、銅像の保存性も高くなります。
像の素材が銅(ブロンズ)ではなく、FRP(繊維強化プラスチック)の場合でも、銅製に見えるように着色いたします。(着色方法や顔料は異なります。)
尚、石像の場合は、着色による色直しは出来ません。石材専用の洗浄液で汚れを落とし、元のお姿に戻します。

「作業日数」
基本的に、銅像が設置されている現場に出向いて作業を致します。

小型像(1m位)や胸像は1日
等身大(1m70cm位)の像は1~2日
大型像(2m以上)の場合は2~3日
特大像の場合は個別にお知らせいたします

*お見積や下見での訪問日は日数に入れていません。
*2体以上の像を同時に修復する場合は、作業効率が良いので、上記の合計日数よりも短くなる場合があります。

晴天でないと作業が出来ないので、雨が降った場合は作業順延となります。