銅像修復は、どこに依頼をすれば良いのでしょうか?

「当社に依頼して下さい。」と書きたいところですが、あえて言葉を変えるならば、「銅像を熟知している専門家に依頼して下さい」と、申し上げます。

それでは銅像制作をしている業者だからといって、どこでも良いかといえば勿論違います。
(世の中には、銅像制作をしている業者は意外とたくさんいます。)
芸術的観点から銅像を見る事が出来、芸術作品としての仕上げ技術が無いといけません。
しかしながら、技術的なレベルが高いだけでもいけません。
「その銅像が、その場所に何のために建立されているか」という事を明確に判断出来る人間である事が求められます。

全ての銅像を同じように修復・修理、クリーニングをしてはいけないのです。
その銅像の状態と形状、建立された意味。
定期的にお手入れが出来ない状況の場合は、メンテナンスが簡単な着色方法もあります。
それらを全て把握した上で、最も適切な修復を行う事が求められます。

また、当社は「他社に依頼をして失敗してしまった」と言う方からご依頼を受ける事も数多くあります。銅像の修復などという特殊なものは、どこに依頼をして良いかわからないと思いますので、それは当然です。
(当社がもっとPRしていかなければいけないと思っています。)



 他社に依頼をして失敗した、というお客さまの主なケースを紹介します 

「公園清掃の業者さん」に依頼して失敗
ある県の市役所が、銅像が建っている公園を掃除している清掃業者さんに、銅像のクリーニングを依頼しました。
その清掃業者さんは何を思ったか、金属ブラシと酸性洗剤で洗ってしまったため、銅像の表面がボロボロになり、制作時の修正箇所から穴が開いてしまいました。
また、銅像は頑丈だという意識からか、銅像に乗って力強く作業していたそうで、細い部分が変形してしまいました。
とうとう清掃業者さんでは手に負えなくなってしまったそうです。
「塗装屋さん」に依頼して失敗
お寺の境内にある開祖像の色が汚くなっているという事で、出入りの庭師さんを経由して、近所の塗装屋さんに依頼したそうです。
門扉などを塗るペンキでベッタリと塗ってしまい、ピカピカで安い玩具のように見えていました。
また、厚塗りがされていて、細かな装身具の形状やお顔の表情が崩れていました。
信仰の対象となる開祖像がこれではいけません。
「専門業者を名乗る研磨会社」
ある観光地の管理組合が、『銅像クリーニングの専門業者』を名乗っている研磨会社に、観光シンボルで記念撮影場所にもなっている像のクリーニングを依頼しました。
遠くから見ると、「銅」像と見えるこの像は、実はFRP(繊維と樹脂を用いて、強度を向上させたプラスチック)製でした。
その研磨会社は大型機材を持ち込み、FRP像のクリーニングに必要の無い研磨を長時間続けたため、像が破損してしまったそうです。
これでは、この像を楽しみにしていた観光客の気持ちはどうなるのでしょうか?

銅像(ブロンズ像)かFRP像かは、触ってみれば簡単に分かります。その程度の知識も無い専門業者がいるのでしょうか?
当社でこの会社に確認したところ、本来は別の研磨が専門で、銅像のクリーニングは以前にたまたまやった事があるそうです。
それを機に、「これは仕事になる」と考えて、銅像クリーニング業者を名乗るようになったそうです。
呆れて何も言えませんでしたが、このような素人が専門家を名乗っている事が度々あります。
「銅像制作を行っている鋳造所」に依頼して失敗
あるお寺で、購入した仏具屋さんを経由して、製造元の鋳造所に観音像(銅像)の色直しを依頼したそうです。
しかし、ご依頼主であるお寺の住職の要望を全く聞かないで、「自分勝手に作業を進めていった」と、住職はとても憤慨していました。
色の仕上がりもプロの仕事とは思えない、美的センスの無いお粗末なものでした。
鋳造所は、実際に銅像を制作する現場ですので、作業は出来ます。
しかし、必ずしも芸術的観点から仕事をしているとは限りません。

作業は日常化し、新しい修復方法の研究も怠っているのが現状です。

簡単に着色が流れ落ちるようなお粗末な仕事で、腐食した銅像を日本各地に量産した張本人は、そういった鋳造所なのです。

自分達が手抜き作業で制作した銅像を「汚れて痛んでいる」と言っては、今度は「銅像修復は『専門家』である鋳造所へ」と呼びかけているのですから、おかしな話です。そして、以前と同じような方法で仕事を繰り返しているのです。
もちろん、良い仕事をしている鋳造所もありますが、わずかに数えるほどです。
(当社で銅像を鋳造する際には、信頼のおける鋳造所を厳しく選んでいます。)

 



この他にも書ききれない程、様々なケースがあります。
いずれの場合でも、間違った処置をしてから直すのはとても大変です。
一度失敗した銅像を直すには、時間や労力が通常の2倍以上かかります。
ご依頼主の心労や経済的負担もとても大きくなります。


当社は銅像の状況を確認した上で、わかりやすい御見積書を提出しています。意味不明な追加料金などは一切頂きません。

お見積に関しては、もちろん無料です!

遠方からのお見積依頼の場合は、写真を送って頂いて、細かな状況確認を行っています。
ご依頼主の方との綿密な打合せの上でご納得のいく仕事を心がけています。
修復作業後には、「日頃のお手入れの方法」を文書にてお渡ししていますので、ご安心ください。

ご不明な点は何でもお気軽にお問合せ下さい。